こさかブログ

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■□ 『ブラック・スワン』
映画『ブラック・スワン』観て来ました。

「ナタリー・ポートマンがエロくて、かわいい」という前評判から、不純な動機でね。

(なのに、オスカー獲ってたとか知らなかったという・・・)



すごく簡単にキャッチフレーズをつけるなら

『ハリウッド版ガラスの仮面(サイコホラー風味)』

と、いったところでしょうか。
(注:「ガラスの仮面」をきちんと見たことが無いので、あくまでイメージです)



ストーリーは本当にベタ中のベタで、≪バレリーナの主人公(ナタリー)が役を得て、その中で生まれる感情の揺れ動き≫なのですが、そこに出てくるのはライバル(他人)からの激しい嫉妬ではなく『自分自身』との戦い。

『白鳥の湖』という有名なバレエの演目のストーリーと主人公のストーリーが重なりながら展開していくスピード感がとても心地よく、面白い面白くないを考える暇を与えてくれません。

さらに「ここでこうなるだろうなあ・・・」とか思いつくことをやってくるのだけど、それよりも更に怖い映像が次から次へと進んでいきます。

ホラーが苦手な人、精神が不安定な人(ハートブレイク中など)、感受性が豊か過ぎる人は夜眠れなくなるだろうな。

ベタな内容ではありつつ、出演者それぞれがとても演技が良かったし、細部のカメラ割りとか、主人公とライバルを対比させるバランスや心の葛藤の映像化など、技術力で強度をかなり上げて、オスカーにひっかかる作品に仕上がったように思いました。



むむー、まだ公開中なので、ネタバレしてしまいそうなのでストーリーを詳しく書けない・・・

なので、出演者の中での“ぐっとくる女の子シーン”のご紹介です。


・主人公ニナ(ナタリー)が監督に直談判するときの真っ赤な口紅のシーン
(普段はバレエが生活の中心で化粧っ気がまったくないのに、大人っぽく背伸びをする)

・主人公ニナがキャミソールのような寝巻きで無防備に寝る時の胸元
(胸が無いのが、イイ!!バレリーナのリアルな胸元でした)

・主人公のライバル、リリー(ミラ・クニス)
のハスキーボイス、レッスンで黒鳥(ブラックスワン)を演じている時の奔放さ
(主人公ニナの閉鎖的な性格と対照的に開放感溢れる性格のリリーのハマリ役っぷりに!)


他にも細々ありますが、これ以上書くとネタバレしちゃう(><)

ということで、観に行った人はぜひ語らいましょう。



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■□ 海炭市叙景をみて、


先日、シアターキノで映画『海炭市叙景』をみてきました。



海炭市という函館市をモデルにしたフィクションではあるけれど、どこにでもありそうな物語たち。

ひとつひとつが救いようの無い、不穏な人間関係や社会が混ざり混ざっている。

鑑賞者には、笑えるようなところは無く、さらに怒りや号泣できるような感情を出せるところも無い。

まして、この映画には『誰が悪い』『誰が正しい』という答えは一切存在しない。

映画の中に答えを見つけようと映画のストーリーに身を投じてみても、次の物語へ移行して、その度に突っぱねられてしまう。

まるで、その答えを探すのは鑑賞者自身なんだ、と教えられているよう。

映画を観ている間に感情が完結せず、心の隅にずっと染み付いてなかなか消えない、そんな不思議な映画でした。



シアターキノでただいまアンコール上映中。
さらに上映期間延長で2月25日(金)までです。

ぜひ、ご覧ください。







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■□ 『北海道インプログレス』と『ぐっとくる話』

年が明けてから、札幌のアート界隈が騒がしいです。

村上隆さんは札幌にZingaro系列のギャラリーを今春オープンする予定みたいだし、川俣正さんも北海道を素材にインプログレスとか。
自分も企画で参加しているものも動いているので、それも含め。

今週は、いろんな作家さんたちが来札ラッシュ。
上海office339エクスチェンジのハンホンさんを皮切りに1/20、21の押井守さんの基調講演+ワークショップ(村上さんも来ていた)、1/22は川俣正さんの北海道インプログレス→宮島達男さんのぐっとくるはなし(「その人と思想展」のトークイベント)と。
今日もブログを書いてるいま、川俣さんのワークショップをやってる頃です。

これまでクリストさんや森山大道さんに大竹伸朗さんなんかもよく来札していたし、tomatoのワークショップなどもあったのに、今までと最近のざわめきの違いは何か。
おそらく、今までは映画とかテレビを見るような気持ちでアーティストトークやワークショップを聞いたり、参加していた気がします。
それが、ようやっと自分たち(受け入れる側、北海道、札幌のアート界隈)に当事者意識がきちんと芽生えてきた、ということでしょうか。


今回、仕事やら、都合で参加できたのは1/22のみなので、その感想文を。


『北海道インプログレス』

二部構成で第一部が川俣さんの今までの作品などの紹介。第二部が近美副館長佐藤さん進行、北海道教育大の三橋さん、コールマイン研究室室長の菊地さんを加えてのシンポジウム。

全体を通して、川俣さんのトークは私の心を上滑りしてあまり魅力を感じなかった。

物質としての作品自体は好きです。
ダンボールや廃材でホームレスが住むような掘っ立て小屋をゲリラで作ったり(フィールドスケッチ)、通路を何キロにも渡って作ったり、橋を作ったり。

ただ、一つ一つの作品がやりっぱなしというか。
作る過程、作業自体を一番重要視していて、それができた後のこと(街や住人に対してのケア)っていうのは重要じゃないように思えて。
そこが、私には落とし込むことができなくて、今もなお、むずむずしてます。


『ぐっとくる話』

そもそも【ぐっとくる】て、何?
間口を広く、「感動する」「かなしくて涙が出そう」「胸が熱くなる」とか、いろんな感情に対して絡められるように、っていう意図だと思います。

ぐっとくるプレゼンでは、お父さんの実家からもらって来た木彫りの熊や、お土産品、元彼からプレゼントされたニットの靴下、立体駐車場への熱い思いなどが語られる。
最終的には『学生時代にお父さんから送られた小包みの荷札』について発表された女性が大賞に決まり、宮島さんのお手製ネックレスが贈られました。

デキレース!w
いや、わかってはいました。
事前に宮島さんがエピソードをすべで目を通して選考している時点でフェアではないですから。

ぐっとくるイベントの最後に「誰にでも共通する感情がある」という旨のお話をされていて、結局そのオチを言いたいが為の長い長いフリでありました。

それにしても、宮島さんのまろやかな語り口は秀逸でした。
プレゼン最中も発表者の発言を拾いながら、コントロールして、誘導していくのに嫌な気持ちにさせないところ、さすがです。
出来上がった作品そのもの自体より、言葉で補完し作品に強度をつけて成り立たせているだけあるよな〜とひとりで納得。

イベントにギリギリが着いたので、展覧会自体は見ていないので、また最終日に見てからもう一度今回のことは考えたいな、と思っています。




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■□ 赤塚不二夫展

行ってまいりました、赤塚不二夫展。

所詮デパートの催事でしょ、と油断してましたが、以前観に行ったウルトラマンアート展と同じく、いい意味で期待を裏切られました!

マンガもアニメもほとんど見ないので、赤塚不二夫と藤子不二雄がまぜこぜになるくらいの私でも面白かったです。

ギャグ、はちゃめちゃ!なイメージの作風とは異なり、丁寧な仕事ぶりに驚き。
少女マンガ、ギャグ、シュール、娘さんの為に作られたらしい絵本のような作品にも驚き。

ギャグの内容も、マンガの枠を軽々超えて高度なコンセプチャルアートだわ!と、ひとり興奮。

左手で書いたり、オチを見る人に考えさせたり、それを何万冊と売れているような雑誌上で展開する勇気や、「名前を『山田一郎』に改名したのに、いろいろ面倒臭いという自分勝手な理由で再度、赤塚不二夫名義に戻す」、という一連の流れを自分自身をギャグと捉えて見せるという自己プロデュース力に感動。

今まで、こんなに有名な赤塚不二夫のことをまったく知らなかったことを大いに反省しました。

展覧会としても構成がしっかりしていて、『よくあるデパートの催事のように見やすい展示』ではなく『赤塚不二夫とは?と咀嚼した上でのほどよい遊びを入れた展示』なのです。

キャラクターのフィギュアやパネルなどのクオリティの高さと、手書きで順路を書き入れて、あえて隙を作ることで赤塚不二夫が作ったみたいな臨場感を出そうとしたり、すごい考えて作ったんだろうと想像できる。

グッズもバラエティに富んでいて、赤塚作品の中からチョイスした部分もセンスよし。

でも、展示自体はアートというよりはデザインでした。
ポップで見易すぎるかな、と。
(そもそも最終的にグッズを売る為の展示だから、それが正解か、、、)

個人的には、ひみつのアッコちゃんコーナーにきゅん!
アニメ化された3回を同時に並べて流し、各世代のコンパクトもあわせて展示。
それぞれの世代ごとにプラスチックの技術やアニメの技術も向上しているのに、根幹にあるストーリーをフィルターに各々の時代背景や時代間のギャップを見るのが好きみたいです。
(ウルトラマンアートや過去に見たリカちゃん展でもきゅんとしてました)

最終日に行ってしまい、みんなにオススメできなかったのが残念。

これからは早い段階で展示観に行くようにします。



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■□ 第十四回 音楽祭@OYOYO

久々に札幌で衝撃を受けたイベントを観ました。

2010/12/25

『第十四回 音楽祭』@OYOYO

大城真
梅田哲也
植野隆司+高橋幾郎
さや
神田聡+永田墨+古立太一

というメンバーでのパフォーマンス。

『音楽祭』という表題ですが、音楽って何ぞや?と考えさせられました。

音楽は詳しくないので視点がずれていると思いますが、私が興味を持った部分をご報告。



■植野隆司+高橋幾郎

右側で植野さんが椅子に座ってギターを弾いたり、叩いたり、揺らしたり、振ったり。
ギターをぽろんと鳴らした後に立ち上がって、揺らしては音の余韻を作ったり、逆にストローを弦とボディの間に挟んで残音を消したりして、ひたすらにギターの音と向き合ってるよう。

一方、左側に居る高橋さんはひも状の楽器を手に振り回しながら、床に置かれた物や天井から吊るされたトライアングルを鳴らしたり、穿いているズボンの布地に当てた音も取り込む。
そのほかにアンプも利用しながら、音を鳴らしてる。

その後、二人の音が交わらないまま、それぞれの右/左→アナログ/デジタルの領域から出ずに演奏を続けていて、まったく別々の空間のように思えて、不思議な感覚に。

時折、高橋さんが植野さん領域に入り、吊るされたトライアングルを鳴らすことによって同じ時間・場所であったことを気づかされる。

最後に、時計を見た植野さんがポケットからごそごそと四つに折り畳まれた一枚の紙を出して、徐に山下達郎の『RIDE ON TIME』を弾き語りで歌い出し、高橋さんも演奏のボリュームが上がり、お互いにマックスボルテージで終了。

脈絡ないの無いように思えた『RIDE ON TIME』ですが、≪時流を乗りこなせ≫という和訳が正しければ、もしかして意味があるの?!と終わってから深読み(ただ単に好きだから歌ったのかもしれないけど)

二人に乱された時間軸を二人に整理されて、やられっぱなしでした。


■さや

さやさんは観客席の中で弾き語りつつ、物語を朗読しつつ、また弾き語り、手法が行ったり来たりしていたけれど、形式なんてどうでもよくなるようにまっすぐ「さや」さんだった。
独特の引き込まれる、あの声は、本当に魅力的。

隣で観ていたの太田さんは『生まれ変わったら、あんな歌声になりたい・・・』と漏らしていました。
ま、太田さんの場合は歌声以外にも問題があるかと思いますが。


■神田聡+永田塁+古立太一

インパクト大。ミラクル多発。

天井から墨汁を垂らす装置を付け、その様子をずっと見張る人。
むき出しのスピーカーとアンプをひたすらいじっている人。
ヘルメットをかぶり、ドラム缶と格闘している人。
そしてそれらを監督のように見守っている人(植野さん)。

よくわからないけど、気になって目が離せない。

墨汁が垂れて来るという、とてもとても地味で微かな動きと、大きく汚いドラム缶が床に叩きつけられるような音であったり、それと格闘することは特に対極的で、意味を探ること自体が無意味でしかないのかもしれません。

各々が作り上げた装置を軽々とドラム缶で壊してく。
垂らした墨を受ける白いロール紙をドラム缶が巻き込んだり(巻き込んだからと言って、特に何があるわけでもない)

ドラム缶と闘うと姿が滑稽で、最初は笑いに包まれていた会場ですが、そのドラム缶によって配置されたガラス瓶が割れ、その瞬間から会場は張り詰めた空気に移行。

ガラスの破片が散らばる床の上に向かってドラム缶を廊下から助走をつけて転がす。
そのぎりぎり(ていうかギリアウト?)で受身を取る。
その光景にみんなハラハラして見守り、いつしか会場には一体感が生まれていました。

何度か繰り返したあと、最後の最後に植野さんがヘルメットの彼を抱えて、一足早い除夜の鐘のようにゴーンと一発鳴らしてパフォーマンス終了。

ドラム缶×ガラス瓶という危険な組み合わせなど、作られた世界の中で起こる偶然性が会場の空気感(滑稽なおもしろみ→緊張感→またそれを弛緩する)の抑揚を完璧にコントロールしていました。

ちなみに、隣で見ていた太田さんは『笑っていいのか、どうなのか、よくわからなくなっちゃった』と言い、何度も思い出しながら笑い、しまいには涙が溢れ出し、完全に感情のコントロールが出来なくなっていました。
 

■梅田哲也

唯一、電気を消してのパフォーマンス。

パイプで出来た丸イス、古い扇風機のヘッドと動力部分のみにした装置、金定規、懐中電灯という、ホームセンターや自宅の押入れの置くから引っ張りだしてきたような材料で作り上げた場は、それらに対して私たちがもともと持ってる固定概念を軽々と超えてました。

回る扇風機のヘッド部分に金定規を当てることで火花を出し、その微かな灯りを見せたり、それを懐中電灯で照らしながら見せたりして、聴覚でも音を感じさせつつ視覚にも音を感じさせるという。
しかも、その光と影のコントラストも配置も美しい!!脱帽!

私の少ないボキャブラリーではうまく表せないですが・・・

『何を以って楽器なのか、音楽なのか』という問いかけが、アートとの共通項に感じ、ますます興味深いです。

最後の、会場にあったミラーボールにライトを当てて、星空みたいにしてくれるというおまけも素敵でした。


■大城真

大城さんは装置と自身が動いてOYOYOと言う場所を最大限に活かしながら音を作っていくパフォーマンス。

たとえば、OYOYOの会場とバックヤードとの間にある壁を使って、
柱のあるところでの音と柱の無い部分での音/表側とバックヤード側から音を叩く/手で叩く、足で蹴る
というような音の作り方。

自身で制作した装置の演奏では、黒くて長い筒の中で音を震わせつつ、その出口を手のひらで押さえながら音の強弱をつけたり、その中に金属部品を入れて細かく高い音を発生させたり、部品を壁に投げつけたりして、音の幅を持たせていました。

バックヤード側から投げた金属をさやさんが拾って、大城さんへの返事するように壁に投げたりして、微笑ましい一面もありつつ。

壁の叩き方や、筒状の装置と金属音など、全体を通して『対比』させることでメリハリを作っていたと思いました。



**********


今回、すべてのパフォーマンスに共通して『場所の特性の掴み方』が上手だなと感じました。
それは、経験値から来る勘もあるでしょうが、それぞれの感度の高さがあってこそかと。
よいクリスマスを過ごせました。

私は用事があって行けませんが、26日、27日のイベントも成功するよう陰ながら祈ってます!





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