久々に札幌で衝撃を受けたイベントを観ました。
2010/12/25
『第十四回 音楽祭』@OYOYO
大城真
梅田哲也
植野隆司+高橋幾郎
さや
神田聡+永田墨+古立太一
というメンバーでのパフォーマンス。
『音楽祭』という表題ですが、音楽って何ぞや?と考えさせられました。
音楽は詳しくないので視点がずれていると思いますが、私が興味を持った部分をご報告。
■植野隆司+高橋幾郎
右側で植野さんが椅子に座ってギターを弾いたり、叩いたり、揺らしたり、振ったり。
ギターをぽろんと鳴らした後に立ち上がって、揺らしては音の余韻を作ったり、逆にストローを弦とボディの間に挟んで残音を消したりして、ひたすらにギターの音と向き合ってるよう。
一方、左側に居る高橋さんはひも状の楽器を手に振り回しながら、床に置かれた物や天井から吊るされたトライアングルを鳴らしたり、穿いているズボンの布地に当てた音も取り込む。
そのほかにアンプも利用しながら、音を鳴らしてる。
その後、二人の音が交わらないまま、それぞれの右/左→アナログ/デジタルの領域から出ずに演奏を続けていて、まったく別々の空間のように思えて、不思議な感覚に。
時折、高橋さんが植野さん領域に入り、吊るされたトライアングルを鳴らすことによって同じ時間・場所であったことを気づかされる。
最後に、時計を見た植野さんがポケットからごそごそと四つに折り畳まれた一枚の紙を出して、徐に山下達郎の『RIDE ON TIME』を弾き語りで歌い出し、高橋さんも演奏のボリュームが上がり、お互いにマックスボルテージで終了。
脈絡ないの無いように思えた『RIDE ON TIME』ですが、≪時流を乗りこなせ≫という和訳が正しければ、もしかして意味があるの?!と終わってから深読み(ただ単に好きだから歌ったのかもしれないけど)
二人に乱された時間軸を二人に整理されて、やられっぱなしでした。
■さや
さやさんは観客席の中で弾き語りつつ、物語を朗読しつつ、また弾き語り、手法が行ったり来たりしていたけれど、形式なんてどうでもよくなるようにまっすぐ「さや」さんだった。
独特の引き込まれる、あの声は、本当に魅力的。
隣で観ていたの太田さんは『生まれ変わったら、あんな歌声になりたい・・・』と漏らしていました。
ま、太田さんの場合は歌声以外にも問題があるかと思いますが。
■神田聡+永田塁+古立太一
インパクト大。ミラクル多発。
天井から墨汁を垂らす装置を付け、その様子をずっと見張る人。
むき出しのスピーカーとアンプをひたすらいじっている人。
ヘルメットをかぶり、ドラム缶と格闘している人。
そしてそれらを監督のように見守っている人(植野さん)。
よくわからないけど、気になって目が離せない。
墨汁が垂れて来るという、とてもとても地味で微かな動きと、大きく汚いドラム缶が床に叩きつけられるような音であったり、それと格闘することは特に対極的で、意味を探ること自体が無意味でしかないのかもしれません。
各々が作り上げた装置を軽々とドラム缶で壊してく。
垂らした墨を受ける白いロール紙をドラム缶が巻き込んだり(巻き込んだからと言って、特に何があるわけでもない)
ドラム缶と闘うと姿が滑稽で、最初は笑いに包まれていた会場ですが、そのドラム缶によって配置されたガラス瓶が割れ、その瞬間から会場は張り詰めた空気に移行。
ガラスの破片が散らばる床の上に向かってドラム缶を廊下から助走をつけて転がす。
そのぎりぎり(ていうかギリアウト?)で受身を取る。
その光景にみんなハラハラして見守り、いつしか会場には一体感が生まれていました。
何度か繰り返したあと、最後の最後に植野さんがヘルメットの彼を抱えて、一足早い除夜の鐘のようにゴーンと一発鳴らしてパフォーマンス終了。
ドラム缶×ガラス瓶という危険な組み合わせなど、作られた世界の中で起こる偶然性が会場の空気感(滑稽なおもしろみ→緊張感→またそれを弛緩する)の抑揚を完璧にコントロールしていました。
ちなみに、隣で見ていた太田さんは『笑っていいのか、どうなのか、よくわからなくなっちゃった』と言い、何度も思い出しながら笑い、しまいには涙が溢れ出し、完全に感情のコントロールが出来なくなっていました。
■梅田哲也
唯一、電気を消してのパフォーマンス。
パイプで出来た丸イス、古い扇風機のヘッドと動力部分のみにした装置、金定規、懐中電灯という、ホームセンターや自宅の押入れの置くから引っ張りだしてきたような材料で作り上げた場は、それらに対して私たちがもともと持ってる固定概念を軽々と超えてました。
回る扇風機のヘッド部分に金定規を当てることで火花を出し、その微かな灯りを見せたり、それを懐中電灯で照らしながら見せたりして、聴覚でも音を感じさせつつ視覚にも音を感じさせるという。
しかも、その光と影のコントラストも配置も美しい!!脱帽!
私の少ないボキャブラリーではうまく表せないですが・・・
『何を以って楽器なのか、音楽なのか』という問いかけが、アートとの共通項に感じ、ますます興味深いです。
最後の、会場にあったミラーボールにライトを当てて、星空みたいにしてくれるというおまけも素敵でした。
■大城真
大城さんは装置と自身が動いてOYOYOと言う場所を最大限に活かしながら音を作っていくパフォーマンス。
たとえば、OYOYOの会場とバックヤードとの間にある壁を使って、
柱のあるところでの音と柱の無い部分での音/表側とバックヤード側から音を叩く/手で叩く、足で蹴る
というような音の作り方。
自身で制作した装置の演奏では、黒くて長い筒の中で音を震わせつつ、その出口を手のひらで押さえながら音の強弱をつけたり、その中に金属部品を入れて細かく高い音を発生させたり、部品を壁に投げつけたりして、音の幅を持たせていました。
バックヤード側から投げた金属をさやさんが拾って、大城さんへの返事するように壁に投げたりして、微笑ましい一面もありつつ。
壁の叩き方や、筒状の装置と金属音など、全体を通して『対比』させることでメリハリを作っていたと思いました。
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今回、すべてのパフォーマンスに共通して『場所の特性の掴み方』が上手だなと感じました。
それは、経験値から来る勘もあるでしょうが、それぞれの感度の高さがあってこそかと。
よいクリスマスを過ごせました。
私は用事があって行けませんが、26日、27日のイベントも成功するよう陰ながら祈ってます!